• 杉岡 陽介

免疫力を上げるためには?

免疫力を上げるためには? 

~腸内細菌との関わりについて~


確認ですがワクチンを接種したからと言ってコロナに罹患しないわけではありません。

マスクをしない、大勢で騒ぐなどしないように、今まで通り、3密は避けてください。


ワクチン接種によって罹患した場合に、重症化リスクを低減し症状の緩和が期待できます。

また、感染リスクも低減されますので、大事な人達へうつしてしまうリスクも低減できます。

さらに身体が持つ免疫力を日ごろから増強していれば重症化リスクを大幅に低減できます。

そこで今回はもしもの時を想定し、日ごろから免疫力を上げるためには何が必要なのか、睡眠やストレスもありますが、最近研究が進んでいる腸内細菌(腸内フローラ)との関係について考えてみたいと思います。


腸内には 1000 種100兆個、重さ約 1㎏~ 2㎏ほどの菌が腸内にいると言われています。腸内細菌は小腸から大腸にかけて生息しており、菌種ごとの塊となって腸の壁にびっしりと張り付いています。それらがお花畑(flora) のように見えることから、腸内フローラと呼ばれるようになりました。正式名称は腸内共生マイクロバイオータです、腸内細菌叢とも呼ばれています。

最近の研究では人の腸内において免疫やガンに対する抵抗性やアレルギー、美肌にダイエット、睡眠、ストレスなど様々な作用を及ぼしていることが明らかになってきました。


腸管免疫について

腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌などと呼ばれる細菌が互いにバランスを保ちながら共生しています。これを腸内細菌の多様性と呼び多様性が高い腸内は健康的とされています。善玉菌ばかりの腸内が良いわけではありません。また腸内には身体の中の70%ほどの免疫細胞が存在し身体に害となるような物質が腸管から体内に取り込まれないよう防御しています。これを腸管バリアと呼び善玉菌によってこの効果が保たれています。

善玉菌は乳酸菌やビフィズス菌などのヨーグルトや乳製品に含まれる細菌で、腸内では食物を分解し身体に良いとされる短鎖脂肪酸(酪酸や酢酸など)やビタミン、葉酸などを代謝によって作り出します。短鎖脂肪酸は便秘抑制、免疫細胞の活性化、悪玉菌の増殖を防ぎ腸内のバランスを保つなどの作用があります。また免疫の暴走を抑える制御性T細胞を活性化させアレルギーや自己免疫性疾患の症状を抑えてくれる役目もあります。

したがって、バランスを保ちつつ、善玉菌を増やせば、免疫力の増強へとつながります。


善玉菌を増やす方法は2つです。

プロバイオティクスとプレバイオティクス、2つ併せてシンバイオティクスと呼ばれます。

プロバイオティクスとは

外部から善玉菌を摂取し腸内で善玉菌を増やすことで、生きたまま届く乳酸菌、ビフィズス菌、納豆などがあげられます。外部から侵入する菌は胃酸によって多くが殺菌されるので生きたまま腸まで届く善玉菌を摂取しないと腸へは届かないのでご注意ください。


プレバイオティクスとは

善玉菌が増えやすいようなエサを与え善玉菌を活性化させることで食物繊維を多く含む食材(大豆、キャベツ、ゴボウ、海草、キノコ類など)や発酵食品(納豆、キムチ、ワイン、ヨーグルト、みそ、しょうゆなど)、オリゴ糖などが挙げられます。


胃を含む腸管を常に元気な状態にすれば免疫力もあがり、多方面に防御力が増し健康でいられます。腸を大事にしましょう。


公益社団法人 東京都臨床検査技師会

業務執行理事 副会長

杉岡 陽介

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